シロアリを放置するとどうなる?知っておくべき影響と対策法を解説
公開日:2023/08/15 最終更新日:2023/06/16
知らぬ間に家の中に侵入してくるシロアリ。一度侵入を許してしまうと気付くのが難しく、あっという間にドンドン増えていってしまいます。そんな恐ろしい彼らを放置してしまうと、いったいどのような被害が発生するのでしょうか。今回は、シロアリによってもたらされる被害について詳しく解説します。
シロアリを放置すると危険な理由
彼らを放置してしまうと、どのような危険が待っているのか説明します。
家の強度が下がり、倒壊の危険性も
シロアリは、家のものなら何でも食べてしまう習性があります。床下や屋根裏の木材はもちろん、太い柱、コンクリートだってその強靭なあごでかみ砕いてしまいます。
また、シロアリは太陽の光や風を嫌うため、木材などの内側に入り込む習性があり、内側から木材を浸食、気が付いたときには、内部がスカスカでボロボロの状態になってしまうのです。
そうなってしまうと家の強度は大きく下がり、下手をすればシロアリによって、家が倒壊の危機におちいる可能性もあります。
放置するほど家への被害は大きくなる
シロアリは繁殖力も強く、次々と卵を産んで数を増やします。
最初は数匹だけであっても、短期間で何十倍・何百倍に膨れ上がっていき、その結果被害も大きく拡大してしまうのです。早期発見をし、すぐに対処すれば、家への被害は小さく抑えられるため、早めの対処が重要です。
家の不動産価格も大きく低下
自分が住んでいる間に、シロアリによる直接的な被害を受けなかったとしても、家を売却する際に、シロアリ被害が発見される場合があります。
そのような場合、その家の不動産価格は大きな下落をすることになります。仮に駆除が行なわれたとしても、通常の家より強度が低いなどの問題点がある家を、人々は選びません。
そのため、買い手がつかずに、処分方法が見つけられないというケースも存在します。
シロアリを放置した場合の建物や人体への影響
それでは次に、具体的なシロアリの被害について解説します。ここでは、家のどんな部分でどのような被害が見られるか、また人体にとってのシロアリ被害についても説明しています。
床下
まずはシロアリ被害の代表格である床下です。床下はもっともシロアリの侵入を許しやすく、木材もむき出しになっているため、被害に遭いやすい場所です。
一方で、目視では確認できない場所であるため、床がきしむ・沈み込みがあるなど、かなりの浸食が進んでから出ないと認知ができないので、気が付いたときにはすでに手遅れ状態という場合も多い箇所です。
浴室
シロアリは湿気が多い所を好む習性があるため、浴室も格好の標的です。
近年はユニットバスが主流になっているため、比較的被害の件数は減ってきてはいますが、在来工法のタイルを使用している浴室での発生確率は、とても高い傾向にあります。
タイルのすきまから内部に侵入し、タイル下の木材を浸食します。最悪の場合、タイルに乗ったり重いものを置いたりしたときに、そのまま床が抜けることもあります。
玄関
地面から木材までの距離が近い玄関も、シロアリ被害が多いポイントです。とくに玄関のドア枠や上がり框などは、すきまができやすく、たくさんの被害が報告されています。
人の体への影響
最後に人体への影響です。結論的には、シロアリによって、人体への大きな悪影響を受ける可能性は高くはありません。
もちろん、これまで述べてきたような建物への被害は小さくはないので、それによって生活環境が悪化して、体に影響が出るというのはあるでしょう。
しかし、直接的な被害という点からは、シロアリは毒を持つアリではないので、仮にかまれても病院に行く必要はありません。
もちろん、コンクリートを砕いてしまうほど噛む力は強いので、噛まれるとかなり痛いです。しかし、少し時間が経てば痛みは引いていくので焦ることはありません。
シロアリ被害を発見したときの対処法
この章では、実際にシロアリ被害を見つけたときに取るべき対処法を紹介します。
羽アリの発見は危険信号のサイン
シロアリ被害の可能性を疑うべき状態は、建物のきしみがあったり、床が沈み込んだり、壁をたたいた時に空洞を感じさせる音が出たりと、さまざまなポイントがあります。
また、実際の被害ではなくとも、家の中に羽アリが出たときも要注意です。シロアリは「群飛」という行動を取ります。
群飛とはシロアリが増えすぎて、コロニーが窮屈になり始めると、羽アリが別の住み家を求めて飛び立っていく現象を指します。
つまり、羽アリが家の中で見つかるということは、すでにコロニーが限界に達するほどシロアリが増殖している可能性があり、今すぐ対処が必要な場合もあるのです。
すぐにプロに駆除を依頼する
このようなシロアリ被害の兆候を見つけたら、まずプロに駆除依頼をお願いしましょう。
シロアリが住みつき始めた頃であれば、駆除スプレーなどの市販の商品でも対処できる可能性がありますが、何十万・何百万匹にまで膨れ上がってしまっている場合には、自分たちでは駆除しきれません。
専門家にちゃんと依頼し、根本から絶つ方法を取ってもらうべきです。
まずは予防から
プロにお願いしたとしても、問題が解決できない場合もあります。すでに浸食が進みすぎていてリフォームしなくてはならないケースや、最悪取り壊さざるを得ないことだってあるでしょう。
そんな事態を避けるために必要なのは、普段からの予防です。簡単に予防できる方法は、市販の薬剤をシロアリが来そうなところに散布する方法です。
これだけでもだいぶシロアリ被害を防げる可能性がありますが、さらに徹底的に対策をしたいのであれば、専門の業者に防除工事をお願いするのがよいでしょう。
こちらは効果が高い分、費用もかかるので予算や築年数との相談になります。
まとめ
今回はシロアリを放置するとどうなってしまうのかをテーマに詳しく解説しました。結論からいえば、シロアリを放置しておくとよいことはなにもありません。シロアリは時間が経てば経つほどどんどんと増殖をしていき、数が増えた分だけ被害も大きくなってしまいます。床がきしんだり、沈み込んだり、家の中で羽アリを見つけたりと、シロアリ被害に関連する兆候を見つけたら、すぐに業者に相談するのが一番です。調査に多少の費用がかかるかもしれませんが、放っておいて家の大部分が被害に遭ってからでは遅いことを踏まえると、多少の費用には眼をつむる方が得策ではないでしょうか。