シロアリ駆除をする時期はいつがいいの?

公開日:2023/11/15  最終更新日:2023/07/14


シロアリ被害は、家の存続にも関わる大きな問題です。気づかない間に、取り返しのつかないほどのダメージを受けている場合もあります。最悪の状況を避けるためにも、万全な対策が必要です。今回の記事では、シロアリ駆除に乗り出す最適な時期について解説します。家の健康を守るべく、今後の判断材料にしてみてください。

シロアリ駆除にベストな時期は工法によって異なる

日本に棲息するシロアリのなかで最も一般的なのが、ヤマトシロアリという種類です。床下をはじめ、浴室、キッチン、トイレなど、湿気の多い場所に住み着き、朽ちた木などを好んで食べる習性があります。

実際のシロアリ被害の9割以上が、このヤマトシロアリによるもの。もうひとつの代表格のイエシロアリは、旺盛な食欲が特徴で、建物の被害レベルも脅威的です。では、シロアリ被害を食い止めるために、どんな時期に駆除すればよいのでしょうか?

結論からいうと、選択する工法によって時期が変わります。冬眠しないシロアリは年間を通じて活動しますが、いちばん活発化するのが4~9月にかけてです。シロアリを駆除する工法には、どのタイミングでも通用するものもあれば、ピーク時を狙って一網打尽する工法もあります。前者はバリア工法と呼ばれるもので、床下の木部や土壌に薬剤を散布し、シロアリの侵入を防ぐことが目的です。

一方、後者のベイト工法は、活動の最盛期である4~9月に、餌を巣に持ち帰るシロアリの生態を活かしたうえで、毒餌、つまり、ベイト剤を使って駆除します。バリア工法と違って拠点になる巣の根絶こそが最終目標です。ちなみに費用相場は、バリア工法が1坪あたり約6,000~8,000円、ベイト工法が同じく1坪あたり、約1万~2万5,000円となっています。

シロアリ駆除は5年おきにやる

前項でも説明したように、シロアリ駆除のタイミングは選ぶ工法によって決まります。次に問題となるのが、どれくらいのスパンで駆除を実施すればよいのかということです。

実は、シロアリ駆除は5年ごとに行うのが定番といわれています。簡単にいえば、駆除で使用する薬剤の効果が5年で消失するからです。環境保護の観点から、薬剤そのものが年々自然分解されるものへとシフトしています。5年間はその分解にかかる時間と考えていいでしょう。

かつては、駆除に使う薬剤が環境汚染を引き起こしたこともありました。その反省を踏まえ、研究、開発が進んだ結果、環境への負担が少ない5年という期間が導き出されたわけです。公益社団法人日本しろあり対策協会の防除施工標準仕様書にも、薬剤の有効期間は5年と定められています。

ただし、5年ごとの縛りはあくまでバリア工法に限ってのことで、ベイト工法には該当しないことです。もちろん、ベイト工法で使用するベイト剤の効力も5年ですが、工法の特性上、半年から1年ごとを目安にうまくいっているかどうか、モニタリングする必要があります。

シロアリが住み着いてるサイン

5年ごとのシロアリ駆除がいくら常識であっても、すでに被害がおよんでいるなら、ただちに対策しなければなりません。駆除が必要かどうかは、3つのサインから判断できます。

基礎を確認する

家の下や建物の土台となる基礎に注目しましょう。コンクリート部分に盛り土のような道ができていれば、シロアリの発生は確定です。専門的にいうと、蟻道と呼ばれるもので、いわば、シロアリたちの行進ルート。

この道を起点にして、木材が食べられていくと、やがて、甚大な被害をもたらされるのは必至です。わずか1か所であっても、シロアリの繁殖力は旺盛ですから、できるだけ早めに専門業者に駆除を依頼してください。

室内で羽アリを発見したとき

室内で羽アリを発見した場合、シロアリがマイホーム化している可能性もあり、将来的な倒壊などの深刻なダメージを避けるためにも、早急に手を打っておきましょう。

部屋の柱や床を叩いてみる

部屋の柱や床を叩いてみると、空洞のような、妙な音が聞こえてくるときです。間の抜けた音が響いてくるということは、シロアリがかなりの範囲を食べ尽くしている可能性があります。中心が空っぽになった柱や床がいかに危険か、説明するまでもありません。この症状を確認できたら、すぐにでも専門業者に相談することが肝心です。

まとめ

今回の記事では、シロアリ駆除に最もふさわしい時期について解説しました。重要なのは、採用する工法によってタイミングが変わってくることです。侵入を防ぐ目的のバリア工法は年中いつでも可能で、巣そのものを根絶するベイト工法は、シロアリが活発化する4~9月がベストな時期になります。ともに薬剤の効力は5年ですが、ベイト工法のみ、ほぼ毎年ごとのモニタリングチェックが必要です。安心して長く暮らすために、家の健康は絶対条件といえるでしょう。シロアリ被害で痛い目に遭わないように、万全な対策を試みたいものです。

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